光の森の蝶の誕生
葉っぱの裏に
大切に産み付けられた緑の卵から
小さな小さな芋虫が
殻を破って出てきました。
芋虫は、
嬉しくて
楽しくて
目の前の葉っぱをかじりました。
そのおいしいこと!
夢中で葉っぱを食べました。
昼間は遠いところから太陽が
何かキラキラしたものを放っていて
周りはそれで満たされていました。
「そのおかげでこんなに葉っぱがおいしいんだ」
幼虫は太陽が好きでした。
鳥が飛んでくることを
太陽は黒い影で教えてくれました。
芋虫は鳥に見つからないようにさっと身を隠しました。
「太陽さん、ありがとう」
太陽が姿を消すと、
一気に森に闇が訪れます。
夜は静かに眠りました。
太陽が姿を現し、朝が訪れました。
芋虫は目覚め、
キラキラした
おいしい葉っぱを見つけ、また食べ始めます。
毎日がそれの繰り返しでした。
ある日、芋虫は、ずいぶん大きくなった体に気がづきました。
動くのもどんどん大変になってきているのです。
太陽がそのからだを照らしていました。
太陽を見上げると、
自分の体を笑っているように見えました。
芋虫は急に恥ずかしくなり、
慌てて葉っぱの裏に身をひそめました。
「太陽さんにこんなからだを見られたくない!」
「このままだと鳥に見つかって食べられてしまう!」
「もう!なんでこんな体になってしまったのだろう!!」
芋虫は、食べるのをやめて、
じっと動かなくなりました。
体は少しずつ固くなっていきました。
食べる喜びと、太陽を遠ざけた芋虫は、
どんどん固くなり
やがてさなぎになりました。
ある夜、
月の声が聞こえました。
幼虫のころは、太陽が沈むと眠ってしまったので、
月に気が付かなかったのです。
太陽とまた違って、優しい月の光に、
さなぎの心は癒されました。
「お月さま、歌を歌って。」
月の声は森に優しく響きました。
リズムは毎晩少しずつ変わっていきました。
それは、
どんどん大きなリズムになっています。
さなぎの心は揺さぶられました。
力が
ぶるぶるとみなぎりました。
明るい満月の夜でした。
ぶるぶる
ぶるぶると震えると
さなぎの殻がはじけました。
いつの間にか大きな羽をもっている自分に気がつきました。
ぶるぶる
ぶるぶると
また、たまらなく震えました。
ちぢこまった羽が少しづつ広がりました。
なんと見事な美しい羽でしょう!
キラキラと、
キラキラと眩く
光を放ちました。
さなぎは蝶になったのです。
うれしくて うれしくて、
その羽を月に見せたくて、
ぱーっと、空に飛び立ちました。
満月の月は優しく祝福し、
幸せの種を蝶に放ちました。
その幸せの種は、
蝶だけでなく
森全体に撒かれました。
森全体が
蝶の誕生を祝福しました。
蝶はすべてを思い出し、そしてはっと 気がつきました。
太陽の光も
月の光も
この美しく輝く羽の光も
すべては同じ光であると!
蝶は祝福と喜びの森の中を
その羽を輝かせながら
ゆっくりと舞いました。
あんなに怖かった鳥も、
同じ空を飛んでいました。
蝶はうれしくてうれしくて
高く高く舞いました。
やがて朝が来て、
太陽が姿を現すまで…
高く、美しく…
光の森のテラス
葉っぱの裏に
大切に産み付けられた緑の卵から
小さな小さな芋虫が
殻を破って出てきました。
芋虫は、
嬉しくて
楽しくて
目の前の葉っぱをかじりました。
そのおいしいこと!
夢中で葉っぱを食べました。
昼間は遠いところから太陽が
何かキラキラしたものを放っていて
周りはそれで満たされていました。
「そのおかげでこんなに葉っぱがおいしいんだ」
幼虫は太陽が好きでした。
鳥が飛んでくることを
太陽は黒い影で教えてくれました。
芋虫は鳥に見つからないようにさっと身を隠しました。
「太陽さん、ありがとう」
太陽が姿を消すと、
一気に森に闇が訪れます。
夜は静かに眠りました。
太陽が姿を現し、朝が訪れました。
芋虫は目覚め、
キラキラした
おいしい葉っぱを見つけ、また食べ始めます。
毎日がそれの繰り返しでした。
ある日、芋虫は、ずいぶん大きくなった体に気がづきました。
動くのもどんどん大変になってきているのです。
太陽がそのからだを照らしていました。
太陽を見上げると、
自分の体を笑っているように見えました。
芋虫は急に恥ずかしくなり、
慌てて葉っぱの裏に身をひそめました。
「太陽さんにこんなからだを見られたくない!」
「このままだと鳥に見つかって食べられてしまう!」
「もう!なんでこんな体になってしまったのだろう!!」
芋虫は、食べるのをやめて、
じっと動かなくなりました。
体は少しずつ固くなっていきました。
食べる喜びと、太陽を遠ざけた芋虫は、
どんどん固くなり
やがてさなぎになりました。
ある夜、
月の声が聞こえました。
幼虫のころは、太陽が沈むと眠ってしまったので、
月に気が付かなかったのです。
太陽とまた違って、優しい月の光に、
さなぎの心は癒されました。
「お月さま、歌を歌って。」
月の声は森に優しく響きました。
リズムは毎晩少しずつ変わっていきました。
それは、
どんどん大きなリズムになっています。
さなぎの心は揺さぶられました。
力が
ぶるぶるとみなぎりました。
明るい満月の夜でした。
ぶるぶる
ぶるぶると震えると
さなぎの殻がはじけました。
いつの間にか大きな羽をもっている自分に気がつきました。
ぶるぶる
ぶるぶると
また、たまらなく震えました。
ちぢこまった羽が少しづつ広がりました。
なんと見事な美しい羽でしょう!
キラキラと、
キラキラと眩く
光を放ちました。
さなぎは蝶になったのです。
うれしくて うれしくて、
その羽を月に見せたくて、
ぱーっと、空に飛び立ちました。
満月の月は優しく祝福し、
幸せの種を蝶に放ちました。
その幸せの種は、
蝶だけでなく
森全体に撒かれました。
森全体が
蝶の誕生を祝福しました。
蝶はすべてを思い出し、そしてはっと 気がつきました。
太陽の光も
月の光も
この美しく輝く羽の光も
すべては同じ光であると!
蝶は祝福と喜びの森の中を
その羽を輝かせながら
ゆっくりと舞いました。
あんなに怖かった鳥も、
同じ空を飛んでいました。
蝶はうれしくてうれしくて
高く高く舞いました。
やがて朝が来て、
太陽が姿を現すまで…
高く、美しく…
光の森のテラス